新規就農・農業参入

通常、新規就農は自治体や農協等が実施している農業研修を2年程度実施し、農地に空きがあれば農地を取得または賃借して農業を始めることができます。ただ、実際には2年程度では農業機械の操作技術や栽培技術を身に着けることは難しく、独立に必要な資金を貯めることも困難なケースが多いです。できれば数年は農業法人等で従業員として勤務し、技術を身に着け十分な資金を準備してから独立することが望ましいと思われます。
農外企業の農業参入も同様に、資金があれば農業に参入できる訳ではありません。そもそも農地を取得するには、売上高要件や構成員要件などの農地法の農地所有適格法人の要件をすべてクリアする必要があります。要件をクリアできない場合でも農地を借りて参入することもできますが、成功しているケースは少ないのが現状です。できれば参入から数年間は収支がマイナスであっても経営を継続できる準備をしておくことが望ましいと思われます。
これまでにホテルや旅館、飲食業、食品製造業、建設業、製薬会社、社会福祉法人など様々な業界の企業から農業参入の相談を受けてきましたが、安易に考えている企業や準備不足の企業が多く、実際に農業参入できた企業は極めて少ないのが状況です。先ずは農業に参入する目的や栽培したい農産物、必要な資金、農地取得の可能性、農作業に従事する人材、仕入先や販売先の確保などについて、参入計画の早い段階で相談していただくことをお勧めします。